新人看護師が陥りやすい間違いとその乗り越え方

看護師の考え方
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 看護師として第一歩を踏み出したとき、多くの新人が希望と不安の中で日々を過ごします。患者さんの命に関わる現場では、1つのミスが大きな影響を与える可能性があるため、緊張の連続です。

そんな中で誰もが一度は「失敗」や「間違い」を経験します。本記事では、新人看護師が陥りやすい代表的なミスを紹介し、それらをどう乗り越えていくかについて解説します。


1. 「わかったつもり」で行動してしまう

間違いの概要

 指示を受けた時に内容を十分に確認せず、「多分こうだろう」と自己判断して行動してしまうケースです。

とくに点滴や注射、内服管理などは指示の内容が複雑なことも多く、確認不足は重大な医療事故につながります。

どう乗り越える?

 「わからないことを聞くのは恥ずかしい」という気持ちを捨てましょう。新人のうちは「確認する」ことが何より大切です。

メモを取り、ダブルチェックを習慣化することで、確認力が自然と身につきます。

周囲のスタッフにも「再確認したいので一緒に見ていただけますか?」とお願いする姿勢が信頼に繋がります。


2. すべてを一人で背負おうとする

間違いの概要

「自分が頑張らなければ」「迷惑をかけたくない」という気持ちから、限界を超えても周囲に頼らずに業務を続けてしまう人が多くいます。

その結果、ミスやバーンアウトに繋がることも。

どう乗り越える?

医療はチームで行うものです。助けを求めることは「弱さ」ではなく「責任感」です。

「誰かに頼る」という選択肢を自分の中に持ちましょう。申し送りや引き継ぎの場で正直に現状を共有することが、結果的に患者さんの安全にも繋がります。


3. すぐに結果を求めすぎる

間違いの概要

「早く一人前にならなきゃ」「先輩みたいにできない自分はダメだ」と、焦ってしまい落ち込む新人が少なくありません。知識・技術ともに習得には時間がかかります。

どう乗り越える?

看護師として成長するには「経験」と「時間」が必要です。焦る気持ちを抑え、今日できたこと・学べたことに目を向けて、小さな成長を自分で認めることが大切です。

1日1つ、自分の中で「よく頑張った」と思えることを見つけましょう。


4. 記録業務を軽視してしまう

間違いの概要

ケアや処置に気を取られ、記録を後回しにしてしまうと、情報が曖昧になり、重要な事実を記録できないことがあります。記録は医療チーム全体の連携の基盤であり、法的な証拠にもなる重要な業務です。

どう乗り越える?

記録は「後で書く」のではなく「その場で書く」意識を持つことが大切です。

もし難しい場合は、キーワードだけでもメモに残し、忘れないようにしましょう。また、先輩の記録を読むことで「どういう言葉で伝えるべきか」の感覚も養われていきます。


5. 患者さんとの距離感を誤る

間違いの概要

患者さんに対してフレンドリーになりすぎたり、逆に緊張して話しかけられなかったりと、距離感に悩む新人は多いです。

距離が近すぎると情報漏洩やトラブルのリスク、遠すぎると信頼関係の構築が難しくなります。

どう乗り越える?

まずは「看護師としての自分」を意識することが大切です。

あくまで患者さんとの関係は「医療者と利用者」という枠の中にあることを忘れずに接しましょう。

敬意と共感を持った関わりを意識し、丁寧な言葉遣いや表情から距離感を調整していくことが大切です。


6. 自分を責めすぎる

間違いの概要

小さなミスでも自分を強く責めてしまい、自信をなくしてしまうケースがあります。

「自分には看護師が向いていない」と早々に諦めてしまう人もいます。

どう乗り越える?

失敗を「学び」に変える姿勢がプロフェッショナルには不可欠です。反省は必要ですが、過度な自責は成長を妨げます。

信頼できる先輩や同期に相談し、「自分だけじゃない」と感じられるだけでも心が軽くなるでしょう。定期的に振り返りを行い、自分を認めていく習慣を作ることが大切です。


7. 看護の本質を見失う

間違いの概要

業務に追われるあまり、「なぜこの仕事をしているのか」「何のためにケアを行っているのか」という看護の本質を見失ってしまうことがあります。

どう乗り越える?

「目の前の患者さんにどう寄り添えるか」を定期的に自問してみましょう。

看護とは、単なる作業の積み重ねではなく、人と人との関係性を築く営みです。

たとえば、患者さんの表情や声のトーンに気を配ることで、思わぬニーズや不安に気づくことができることもあります。


まとめ:間違いは成長のチャンス

新人看護師が陥る間違いは、誰もが一度は経験する「通過点」です。

大切なのは、その経験を「どう受け止め、どう活かすか」です。

完璧を目指すのではなく、日々学び、少しずつ前に進むことが、看護師としての確かな成長に繋がります。

あなたがこれから出会う失敗や間違いは、決してあなたの価値を下げるものではありません。

それは「よりよい看護師になるための材料」です。焦らず、自分のペースで、一歩一歩進んでいきましょう。

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