看護師としての第一歩を踏み出す新人時代。覚えることも多く、緊張や不安でいっぱいの中で、同じ立場の「同期」の存在は何よりも心強いものです。仕事の悩みを共有できたり、励まし合ったりできる同期は、職場生活を乗り越える大きな支えとなります。
しかし、中には「なかなか同期とうまく打ち解けられない」「距離の縮め方がわからない」と悩む方もいるでしょう。この記事では、新人看護師が同期と仲良くなるためのコツやポイントを、心構えや具体的な行動に分けてご紹介します。
1. なぜ同期との関係が大切なのか?
● 同期は「戦友」であり「共感者」
看護師の仕事は、プレッシャーや責任が大きい反面、周囲に相談しづらいことも多くあります。そんなとき、同じ時期に入職し、同じような研修や業務を経験している同期は、最も理解してくれる存在です。言葉にしなくても「わかるよ」と共感してくれる存在は、心の支えになります。
● 孤独感の軽減とモチベーション維持に役立つ
職場で孤立してしまうと、ストレスが溜まりやすく、心の余裕もなくなっていきます。同期と日常的に連絡を取り合ったり、ちょっとした雑談を交わせる関係があるだけで、気持ちが軽くなり、「自分だけじゃない」と前向きに頑張れます。
2. 心構え編:仲良くなるためのマインドセット
● 「自然体でいる」ことを大切に
気を使いすぎて自分を作ってしまうと、長続きする関係にはなりにくいものです。無理に合わせようとせず、素直な自分を出すことが、お互いに安心できる関係を築くポイントです。
● 比較しない・競わない
同期とは「一緒に成長する仲間」。しかし、現場ではどうしても「◯◯さんはもうこんなことできてるのに…」と比べてしまうこともあります。でも、人には得意・不得意の分野があり、成長のスピードも違って当然です。焦らず、自分のペースで進むことを意識しましょう。
● 適度な距離感を忘れずに
「仲良くなりたい」という思いが強すぎて踏み込みすぎると、逆効果になることも。まずは相手のペースや性格を見ながら、ゆっくり距離を縮めていく姿勢が大切です。
3. 実践編:仲を深める具体的な行動5選
① 挨拶+ひとことを意識する
毎日の「おはよう」「おつかれさま」に、一言添えるだけで印象が変わります。
例:
「おつかれさま!今日はなんか忙しかったね」
「おはよう!昨日の研修どうだった?」
会話のきっかけをつくることで、自然と関係性が深まっていきます。
② 共通の話題を探す
「新人研修」「プリセプターとの関係」「覚えることの多さ」など、共通の話題がたくさんあるのが同期の強みです。最初は看護の話で盛り上がり、徐々に趣味や休日の過ごし方など、プライベートな話題へ広げていくのがオススメです。
③ LINEグループやSNSで繋がる
最近では、研修の連絡や情報共有のためにLINEグループを作るケースも増えています。業務連絡だけでなく、研修後に「今日の振り返りどうだった?」と聞いてみたり、スタンプだけのやりとりでも、関係性が続いていきます。
④ ごはんやカフェに誘う
タイミングが合えば、「今度みんなでご飯でも行かない?」と気軽に声をかけてみましょう。個別で誘うのが難しい場合は「みんなで」「何人かで」と言うことでハードルが下がります。外の空気の中で話すことで、職場とは違った一面も見えてきます。
⑤ 弱さを見せる勇気を持つ
「実は今日めっちゃミスして落ち込んでる」
「プリセプターが怖くて萎縮してしまう…」
こんな風に自分の悩みをシェアすることで、「あ、それ私も思ってた!」と共感が生まれることがあります。弱さを見せることで距離が縮まることもあるのです。
4. トラブルを避けるための注意点
● 噂話や悪口に注意
共通の敵や不満を共有することで一時的に距離が縮まったように感じても、長期的には信頼を失う原因になります。特に先輩や同僚への悪口は、どこで誰が聞いているかわかりません。ポジティブな話題を意識しましょう。
● 無理に仲良くなろうとしすぎない
全ての同期と親友のようになれるわけではありません。「なんとなく合わないな」と思う人がいても、それは自然なことです。無理に距離を縮めるより、気の合う数人と信頼関係を築くことが大切です。
5. 仲良くなることで得られるもの
● 感情のアウトレット
職場ではなかなか吐き出せない感情も、同期には話しやすいもの。「今日こんなことがあって…」と話すだけで、心がすっきりすることもあります。
● モチベーションの維持
「自分も頑張らないと!」という刺激をもらえたり、落ち込んだ時に励まし合えることで、日々のやる気につながります。
● 将来のつながり
数年後に別の職場へ行ったとしても、「あの頃一緒に頑張ったよね」と連絡を取り合える存在になれる可能性があります。看護師は狭い世界です。同期との信頼関係は、将来のキャリアにもプラスに働くことがあります。
まとめ:同期は“かけがえのない財産”になる
新人看護師の時期は、誰もが不安でいっぱいです。だからこそ、その不安や悩みを共有できる「同期」とのつながりは、かけがえのないものになります。無理に距離を縮める必要はありませんが、ちょっとした気配りや行動で、関係は自然と深まっていきます。
一人で抱え込まず、時には寄りかかり、時には励まし合いながら、一緒に成長していける仲間として、同期との時間を大切にしていきましょう。
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